今週のお題「2012年に買って良かったもの」
本年も色んなものを購入しましたが、その中でベストワンだったのがこの本。
- 作者: 谷田川惣
- 出版社/メーカー: 日新報道
- 発売日: 2011/06/01
- メディア: 単行本
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前からレビュー見て気になっていました。先月やっと購入でき、いま繰り返し読んでますが、いやはやこれは実に凄い本です!
- 「皇統は神話から男系であること」
- 「皇統は傍系継承により維持されてきたこと」
- 「伏見宮系の旧皇族は、天皇の正当な血統であること」
- 「皇位と家督はまったく異なること」
- 「シナ宗族制度なるものは我が国に全く入ってこなかったこと」
- 「将来も宮家の充実により十分皇統は維持できること」
等の事実を、小林よしのり氏の「天皇論」・「新天皇論」における間違い・詭弁・ごまかしをひとつずつ論破しながら明かし、さらに「女系天皇論」の根底に横たわる左翼思想の本質「理性万能主義」の正体を明らかにしたうえで、その誤りを糾弾しています。
「女系天皇」の問題って正直さっぱりわからなかったのですが、皇太子殿下に女児が生まれた時はがっかりし、愛子親王の即位はあり得ないと感じてただけに、この本読み終えたとき、今までモヤモヤしてたのがすっきり晴れてきました。
また本書のなかで特に唸ったのが、以下のくだり・・・
歴史を下位に置く発展段階論
最近の若者は「発展段階論」という言葉を聞いてもよくわからない人が多いのではないだろうか。ある程度年齢を重ねた人で保守系の知識に長けた人なら、すぐにピンとくるのではないかと思う。社会発展段階論とはマルクスをはじめ共産主義者が主張するもので、歴史をおおまかに区分して、社会は過去から現在、そして未来へと発展していくという考え方である。これは歴史を否定する根拠となり、理性主義を正当化する論法である。過去の歴史は野蛮であると考え、過去の人間と比べて現代人は進んでいる。そして未来はもっと進歩すると考える。
そのような主張に対して保守主義は批判する。過去の人も現代の人も同じ人間である。過去の人にできないことは、現代人にもできないし、未来の人にもできないと考える。共産主義者は、現在の人は共産主義を実現できなくても、未来の人は実現できると主張する。保守主義は、現在の人も未来の人も人間の持つ本質は同じであり、できないことはできないと発展段階論を批判するのである。共産主義は歴史を野蛮であると切り捨て、保守主義者は歴史とは人間のできることの積み重ねであり叡智であると考える。
それを踏まえたうえで、次の記述を見てもらいたい。小林よしのり
こんな野蛮な風習を、21世紀の時代に続けていてはいけない!伝統は斬新的に革新するものだ!(168頁)これは完全に歴史を下位に見た発言ではないだろうか。少なくとも、歴史の叡智という感覚をまったく感じることができない。私は、小林よりのり氏が「男系継承はシナ宗族の模倣」「男系主義は男尊女卑思想」と言い始めたときに、すぐに思い浮かんだのがマルクスの「発展段階論」であった。現代人から見ればそういうことだ。現代人のものの見方が優れているという発想である。ゆえに、今上陛下や先帝陛下を歴史と切断して特別に崇拝しているように感じられる。我々は歴代天皇から今上陛下を特別視するのではなく、今上陛下は歴代天皇に対してどのようにお考えになっておられるのかということを大切にしたい。天皇という存在に対して無知でなければ、今上陛下や昭和天皇が歴代天皇のことを下に考えるようなことは絶対にあり得ないということがわかるはずである。
皇統は万世一系である 131頁
なるほど・・・「歴史の叡智」ですか。
「今上陛下や先帝陛下を "歴史と切断して" 特別に崇拝しているように感じられる」
「昭和天皇論」は以前読んだときたいへん感銘受けたけど、「天皇論」等には毒のようなものしか感じられませんでした。その根底にこういう本質があったとは、非常に鋭い見識だと思います。
私が「皇室」に抱く思いは、一般的な保守派とかなり異なる部類だと思います。しかしこの本読み終えて、日本の国体の特殊性にまた一つ知見が加わり、また皇室は絶対滅びない、例え女性宮家がどうなろうが、そんなものは一時的でたちまち廃止になる、間違いなく日本国は未来万代にわたり天照大神の血統が受け継がれていくのだと、ますます確信が湧いてきました。
そういやよしりんの父親ってたしか共産主義者、母親は真言の寺の娘でしたよねぇ。やっぱ両親の影響ってこういうところに現れるものなんですかねぇ・・・
あと今年読んで面白かった本。
- 作者: 本多勝一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2004/10/09
- メディア: 単行本
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スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)
- 作者: アントニー・ビーヴァー,堀たほ子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2005/07/15
- メディア: 文庫
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技術書、今年あまり読めてないなぁ(苦笑)
とりあえず夜も遅いので今日はここまで・・・